日本がまだ敗戦の傷跡から立ち直っていない昭和20年代にフランスへ留学し、日本人初の国際コンクール(ジュネーブ、ロン=ティボー、ショパン国際コンクール)で入賞した田中希代子さんの生涯を綴った書籍を読みました。世界に認められ、絶頂期に膠原病を患いピアノを弾けなくなり、どれだけ無念だったかと想像すると胸が痛みます。その後、後進の指導を生き甲斐とし、亡き後は、自身の体を難病の解明のための献体を希望したという、凛とした生き方に非常に感銘を受けました。