2025年ショパン国際ピアノコンクール予備予選に出場された亀井聖矢さんの演奏を、配信を通じて聴くことができました。
予備予選という段階ながら、会場は独特の緊張感に包まれており、まさに“ショパニスト”たちの登竜門といった趣。
そんな中、登場した亀井さんの落ち着いた佇まいと、最初の一音から感じられる集中力に、早くも引き込まれてしまいました。
プログラムには、練習曲(エチュード)2曲、ノクターン1曲、スケルツォ1曲、そしてマズルカ1曲という構成が課されており、亀井さんはそれぞれに深い解釈をもって臨まれていた印象です。
特に印象的だったのはスケルツォ。技巧的なパッセージの中に、どこか内省的な静けさが宿っていて、単なる“勢い”ではない、音楽の奥行きが感じられました。
また、ノクターンでは呼吸を伴った歌心が印象的で、ショパンのリリシズムをこれほど自然に奏でる演奏には、なかなか出会えないと感じました。
もちろん、本選出場者の発表はまだですが、この予備予選だけでも、彼の音楽的な成熟と将来への可能性を十分に感じさせるものでした。
画像はショパコン国際ピアノコンクール公式YouTubeよりお借りしました